日本酒の味 甘辛、酸度、アミノ酸

日本酒における甘口と辛口は、いろいろな着眼が存在するために人によって評価が異なることが多いです。日本酒の味の評価は、このブログの「日本酒紀行」で評価している 甘み、うまみ、渋み、酸味、苦み、コクボディに着眼することが多いですが、甘みはともかく辛みは何を基準にするかが難しいです。

お酒の成分からは糖分が多ければ甘いし、少なければ辛いことになります。しかしながら、酸やアルコールが多いと辛く感じます。

日本酒度

多くの日本酒のビンにはラベルがあります。裏に貼ってあるラベルにはときどき日本酒度という記載があります。

日本酒度は、以前の記事の繰り返しになりますが、甘口、辛口をみる目安となります。15℃の日本酒を4℃の水と比較して、同じ重さの場合を「日本酒度 0」として、それより軽いものはプラス、重いものはマイナスで示します。

つまり「日本酒度 = ([1/比重] – 1)×1443」で計算されます。

比重は主に糖の含有量で決まりますので、糖分の多い物がマイナスに、逆に糖分の少ない物がプラスとなります。つまり、マイナスの度合いが高いほど甘口となり、プラスの度合いが高いほど辛口という事になります。

ラベルに記載されている甘口、辛口は、この日本酒度を基準に判断されています。

原料のお米に含まれる糖質を最後まできっちりと醸造すると、すっきりとした辛口に仕上がるという理論になります。

酸度

酸度は日本酒に含まれるコハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸などの酸の量を表す指標です。酸には日本酒にキレを与える効果があり、日本酒度が同じ場合は酸度が高い方が辛口かつ濃い口に、低い方が甘口かつ薄口に感じられます。

特にコハク酸は日本酒の個性を司る重要な要素で、コクに大きく貢献すると考えられています。ワインやビールにも含まています。これらの酸は、温度によって味わいが変化することがわかっています。ぬる燗にすると日本酒の味わいが大きく変化するのはこの酸の味わいの変化による要素が強いです。

アミノ酸度

アミノ酸度は日本酒の中に含まれるアミノ酸の量を表した指標です。アミノ酸には日本酒にコクや旨味を生み出す作用があります。日本酒度が同じ場合、アミノ酸度が高い方が甘口かつ濃い口に、低い方が辛口かつ薄口の味わいになります。

一般的には精米歩合が高いほどお米に含まれるたんぱく成分が多くなり、アミノ酸度が高くなります。吟醸酒や大吟醸酒になると精米歩合が低くなりますので、アミノ酸度は低くなる傾向がありますので、理論的にはすっきりした辛口になります。

ただ、ご存じの通り大吟醸酒を辛口に感じる方は少ないと思います。それは日本酒度が低かったり、甘い香りのする吟醸香の影響で甘いように感じる要素が強いからです。

純米酒の味は奥が深いです!

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