楯の川酒造 純米大吟醸(山形県酒田市)
山形県に住んでいたころに(2006年)、近くの酒屋さんで「楯野川」の古酒を見つけました。何年も寝かせたウイスキーが、若いものよりも落ち着いた静かなコクがあり、美味しく高級なのは知ってましたが、日本酒にも古酒があることはそのとき初めて知りました。
早速購入し、グラスに注ぐとウイスキーとまでは言いませんが、やや琥珀色が入った趣きのある色合いです。飲んでみるともう一度びっくりの深い味わいです。味の表現は難しいですが、「3年ものと12年もののウイスキーを比較したときの感覚」と、「普通の純米酒とこの古酒を飲み比べたときの感覚」は通ずるものがあると言えばなんとなく理解できますでしょうか。
目次
地元の酒屋にて楯野川発見
最近ときどきお邪魔をしている河野俊郎酒店(宮崎市)の冷蔵庫に「楯野川純米大吟醸」を発見しました。普段は、4合瓶を購入することが多いのですが、これは美味しいに間違いないと確信し、1升瓶を購入しました。
早速、グラスに注いでみると、ほんの少しだけ琥珀色が入りますが、混濁は全くありません。香りは、大吟醸のお酒ではありますが、果実のようなフルーティーな吟香は少なめで、栗のような、本来の米のような穏やかな香りがさっぱりと漂います。
飲んでみると、サラリとした飲み口で、柔らかな苦みの中に存在感のある旨味が感じられます。昔懐かしい楯野川の味です。旅行で訪れたときに見た酒田市の田園風景が心の中に広がります。山形時代の楽しい思い出が蘇ります。
ラベル
日本酒を味わうときは、必ずラベルを読みます。1832年創業(明治元年が1868年)、天保三年・・・、なんと江戸時代の「天保の大飢饉」の天保です。歴史を感じます。
米は美山錦を使っています。美山錦は、大粒で心白発現率の高い品種を目標に育成され、 その酒造適性と耐冷性の強さにより、東北、関東、北陸まで広範囲に普及しています。ただ、米の品種よりは、酒田市の米で、同じ土地の水を使って、手間をかけて醸造したお酒だから、美味しくなるような印象です。
かつお
つまみは、日南のかつおの刺身です。打ち合わせなしに、奥さんが用意してくれていました!「あうん」の呼吸です。我が家の醤油は、高知県からのかつおだしのきいた醤油を使用しています。ニンニクとミョウガをトッピングして最高の仕上がりです。
後半は、大吟醸のお酒ですが、上原浩先生のお勧めに従って、冷や、常温、ぬる燗と温度を変えて、飲んでみました。すると、別のお酒に生まれ変わります!
吟香が少ないので、くどさはありません。逆に、米の風味をさらに感じることができます。サッパリとした切れの良さは、相変わらずです。温度により味と風味が変化して、一度に3度美味しく味わえます。本物の純米酒のときは、ぜひぬる燗お試しください。
勝手に日本酒品定め
色は、色沢良好で、かすかな黄金色
味は、
甘み 2 うまみ 3 渋み 1 酸味 3 苦み 1 コクボディ 2 (5段階評価)
香りは、若いメロンのような、きゅうりに近いような初々しい香りです。
お供の料理:コクのある中華料理。すき焼きのような味が濃い目の鍋にも合います。