桝田酒造店「純米生 満寿泉」富山市 ~フレッシュな味わいの生酒~
今日は富山県富山市からのお酒です。冬になると日本酒の醸造が始まります。そして、冬ならではの風物詩に「生酒」があります。醸造したばかりの純米生酒を見つけましたので、早速購入しました。
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桝田酒造店
桝田酒造店の初代桝田(ますだ)平三郎さんは、富山市岩瀬の出身です。初めは北海道旭川にて酒造業を興しました。明治26年に「都松」の商標で始まり、この時代としては大規模な年間1500石の規模まで醸造していました。明治38年に出身地の富山に戻り、「岩泉」その後苗字の「桝田」にちなんだ「満寿泉(ますいずみ)」のお酒を醸造しました。
現在は5代目の桝田隆一郎さんが社長を務めています。日本酒造組合中央会北陸支部の支部長も兼務し、岩瀬のまちづくりにも積極的に取り組んでいるようです。インタビュー記事が検索できましたが、「自分と自分の周囲の人が幸せになれること」が目的との内容に好感を持ちました。
「生酒」「生貯蔵酒」「生詰め酒」
日本酒の製品化の過程は、醪を搾ってろ過した新酒は、「1回目火入れ」をしてから貯蔵・ろ過され「2回目火入れ」をしてからビン詰め・出荷されます。火入れは60℃程度での低温殺菌です。「火入れ」をする目的は、①ちょうど良い程度に発酵した時点で酵素の働きを止めるためと、②品質が変化しないようにするため(保存期間が長くなります)、があります。火入れをしないと、熟成の期間が十分にとれないなどのデメリットもあります。
生酒・・・「1回目火入れ」も、「2回目火入れ」もしません。麹酵素の香り・味が残っていて、フレッシュさを満喫することができます。残存する酵素の働きで、酒質が変化し続けますので、生生鮮食品と同様に冷所保存でなるべく早く飲み切ります。出来立てが美味しいので、醸造時期である12月から翌年春までがシーズンです。
生貯蔵酒・・・「1回目火入れ」しませんが、「2回目火入れ」は実施。「生酒」の状態で保存されますので、フレッシュな味を感じることができますが、通常のお酒よりは早く飲み切ったほうが良いです。
生詰め酒・・・「1回目火入れ」実施、「2回目火入れ」はしません。代表的なものが「ひやおろし」で、早春に搾って「1回目火入れ」をしてから貯蔵し、夏を越す間に熟成させ、秋に出荷されます。出荷時に「2回目火入れ」をせずに貯蔵時の冷や状態のまま卸すので「ひやおろし」の名前になっています。
★★★スーパーなどで、生酒を常温で販売している店がときどきあります。これは刺身を常温で販売していることと同じような非常識なことをしています。日本酒を販売する際はもう少し気を付けてほしいです。★★★
勝手に日本酒品定め
色は、淡々黄色で、澄んでいます。
味は、
甘み 4 うまみ 5 渋み 1 酸味 4 苦み 2 コクボディ 5 (5段階評価)。深いコクの中に、口の中で暴れるようなフレッシュさがあります。
香りは、竹の新芽に、かすかなレーズンの香りが混じるような印象です。
お供の料理:ブタのしゃぶしゃぶでいただきました。焼き魚が合うと思いました。